2年目

 2年目に入るとぼとぼちパソコン教師の仕事が入るようになりました。生徒の家や会社へ行って教える出張指導です。ほとんどが知人の紹介など、口コミの生徒です。初心者が相手ですから何とかぼろを出さずに教えることができました。

 そんな頃、近くのパソコン教室のチラシが入っていました。無料の体験入学があるそうです。パソコン教室のインストラクターはどの程度の知識なのか興味がありましたし、入学してみようという気持ちもありました。私が行った時は生徒が5人ほどでした。案の定、私が最年長でした。1時間ほど名刺作りをやった後に質問の時間になりました。私は簡単な質問をいくつかしてみましたが半分以上は答えられないのです。しかも、相手は初心者だと思っているからなのか、適当に誤魔化そうとするのです。嫌な質問をする奴だと思われたことでしょう。

 パソコン教室のインストラクターってこの程度なのかと思いましたが、いやいや、今回は初心者が相手だから、新米のインストラクターなどだろうと考えました。でも、解らないことは解らないと正直に言うべきです。私も今までに生徒の質問に答えられないことが何度かありました。その時は「私も解りません。次回までに調べてきます。」と言っています。同じように、教えたことが間違っていたと気が付いた場合は「申し訳ありません。前回の授業で間違ったことを教えてしまいました。正しいのはXXXです。」と訂正します。教える者はその責任を自覚しなくてはなりませんね。

 相変わらず毎日10時間以上はパソコンの勉強を続けていました。好きなことなので何時間続けても疲れたり眠くなったりはしませんでした。パソコン通信も毎晩やっていました。ニフティの回答も日課として続けていました。当時はニフティの接続料が高かったので、毎月1万5千円以上は支払っていました。その他にインターネット接続用にピープルというプロバイダにも入っていました。

  Aptiva を買って1年半ほど経った頃、カードから毎月2千円ほどが知らないプロバイダへ支払われていることに気が付きました。問い合わせてみると私が申し込んだそうです。Aptiva を買った時にIBMのユーザー登録と、ニフティとピープルの入会手続きをオンラインで行ったのですが、その時に間違ってそのプロバイダにも申し込みをしていたらしいのです。一度も使わないプロバイダに3万円以上も支払ってしまいました。カードの請求書は確認しなければなりませんね。

 1年以上も順調だった Aptiva の具合がおかしくなりました。MOやZIPなどは持っていないのでFD数十枚にデータのバックアップをとり、リカバリーCD−ROMで工場出荷時状態に戻しましたが、あまりにも簡単に元に戻ることに感心しました。何回目かに、FDにバックアップをしなくてもDドライブに移動すれば良いことに気が付きました。それ以来、調子が悪くなると直ぐにリカバリーCD−ROMのお世話になり、毎月のようにHDの初期化・インストールを繰り返していました。下手に不具合を修正しようとするよりもこの方が簡単ですね。

 簡単に元に戻せるのですから、怖いことはありません。疑問を感じたことは即実行するようになりました。参考書に書いてないこともどんどん実験をしました。それによって色々な発見をしました。ウインドウズの基本を覚えてしまうと、どんなソフトでも操作は共通しているということも解りました。パソコンの勉強は慣れることが一番だということも実感しました。頭で覚えていなくても体が覚えてしまうのでしょうね。 一連の操作を無意識の内にやってしまうようになります。

 パソコンメーカーやプロバイダのサポートセンターの電話はなかなか繋がらないですね。数時間はリダイヤルを繰り返す覚悟が必要です。やっと繋がっても、それから30分、1時間と待たされることがあります。普通はフリーダイヤルですが、中には有料もあります。普段はあまり気にしないで電話をしていますが 、この差はどうしてなのでしょうか。時間の無駄は覚悟していますが、電話料金まで無駄遣いさせられては 困りますね。

 でも、ユーザーにも責任があります。説明書も読まずにいきなり電話をかける人がほとんどだそうです。電話がなかなか繋がらないと「サポートセンターは何をやっているんだ。」と言いたくなります。しかし、サポートセンターでは数百人単位で対応しているそうです。この経費は莫大なものでしょう。それが価格にも撥ね返っているのでしょうね。サポートセンターは最後の手段です。その前に自分でやれることは全てやってみましょう。

 Aptiva を買って直ぐに入会したメールサークルにも異変が起き始めました。会の中にグループができてきたのです。現在もあるのか分りませんが、ニフティには「パティオ」という掲示板のようなものがあります。「パティオ」を開設したオーナーからパスワードを知らされた人だけがアクセスできるものです。そこでグループ単位の誹謗中傷が始まったのです。どんなにひどいことを書き込んでも何処の誰かは判りません。それを良いことに書きたい放題です。これは年齢だけの問題ではありませんね。

 テキストだけのコミュニケーションは誤解も生じやすく怖いものです。パソコン通信の世界では何処ででも起きていることのようなのですが、オーナーも私も幻滅を感じて脱会してしまいました。パソコンで味わった初めての挫折でした。でも、その会で知り合い心を通じ合ったメールフレンドとは今も交流を続けています。

 参考書を毎日何時間も読み続けていても、頭の中に残っているのは僅か数パーセントです。読むだけでは駄目なのですね。読んだことは実際にパソコンで試してみます。これで記憶に残る量が数パーセントは増えるでしょう。本のページには付箋を付けておきます。後日、これはあの本に書いてあったと思い出せれば良いのです。

 私の頭の中にあるハードディスクは1GBにも満たないでしょう。本で読んだ詳しい内容まで頭の中に叩き込もうとすると、次から次へと古い方から削除されてしまいます。どんなことが書いてあったのか、項目だけならあまり容量を取りません。リンクを記録しておき、外部記憶装置へジャンプします。外付けハードディスクは本ということです。

 パソコンの勉強は好きなことに片寄ってしまいますが、パソコンに慣れるためにはそれでも良いと思います。私はホームページを作るためのタグとJAVAの勉強にかなりの時間を費やしました。ペイントでマウスを動かして、絵も沢山描きました。マウスは思うように動いてくれませんから、1枚の絵を描くには数日間も要しました。

 こうして描き溜めた絵は20枚ほどになりました。ところがある日、ハードディスクを初期化する前のバックアップの際に、絵を保存してあるフォルダを忘れてしまったのです。一瞬にしてすべての絵が消失してしまいました。なんとも馬鹿なことをやってしまったものです。しばらくの間は絵を描く気力が起きませんでした。この失敗を機に、普段からバックアップをするフォルダのリストを作っておくようにしています。

 このようにして2年目は色々と失敗もしましたが勉強の成果も上がり、ホームページの作成や出張指導の依頼も徐々に増えてきました。